はちじゅうのちょうせん
慢性心不全。
なんじゃそりゃ、って感じですよね。
祖母が抱えてる病気です。
心不全って、普通、死因じゃないの。
死因が慢性的に起こるの?
なんだかよく分からない病気と付き合ってきた祖母が、
わたしが東京行きのバスに乗った夜、意識を失いました。
滞在わずか数時間にして、再度青森に戻ったわたし。
病室に入ると、前日までとは全く様子の違った祖母がいました。
管やら線やら、なんだかいっぱい身体につけて、
そこにいたのは、祖母であって祖母でないよう。
――
祖母の意識は一日で回復しました。
前日の祖母の様子を知る病院関係者が皆、驚くほどの回復力。
本当によかった。
それからは夏休みが終わるまで、ずっと祖母の側にいました。
こんなにも長い時間を祖母と過ごしたのは、いつぶりだったろう。
ある日、浅い眠りから目を覚ました祖母が、ぽやんと呟きました。
「これはね、はちじゅうのちょうせんなの」。
うちの祖母には、なぜだか、「おしん」も涙するような過去があります。
また、「おしん」には登場しない、デンジャラスな経験も多いです。
そんな、ひとり「九死に一生」スペシャルをこなしてきた祖母が、
「病気でダメんなるわけがない」と、自分に言い聞かせているようでした。
八十二にもなり、弱った身体の一体どこから、そんな力が湧き出てくるの?
力ない祖母の、魂の叫びのようなこの台詞は、わたしを感動させました。
そして、こんなにも強い人物の孫であることを、誇りに思いました。
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: はちじゅうのちょうせん
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://blog.waseyobi.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1609
